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笑い、滴り、装い、眠る。

第7章 雨の日は家にいて



「君は…」


和「ども…」



どんなを顔したらいいのか……。



本当はカズくんだって、恋人を寝盗った相手になんか、会いたくはなかっただろう。



でも、臆する様子もなくカズくんは僕に話しかけてきた。



和「少し時間あります?」


「え?」


和「一度、話してみたかったんです。貴方と?」


「そう……なの?」


和「ここ、イートインがあるからそこで話しましょ?」



と、カズくんはコンビニを指差した。



和「……」


「……」



窓際に二人並んで座り、暫くの間、無言でコーヒーを飲んでいた。



僕に話、って、いうことは、やっぱり、翔くんのことだろう。



いつ、切り出されるんだろう。



隣に座るカズくんの一挙手一投足に気を取られて、


飲んでいるコーヒーの味なんか全然分からなかった。



そんな時、徐にカズくんがカップをテーブルに置き、頬杖を付いた。



和「翔さん、どうしてます?」


「えっ!?」


和「今、付き合ってんですよね?翔さんと。」


「どう……なのかな?」


和「どうなのかな?って…好きなんじゃないの?翔さんのこと。だから…」


「…好きだよ。好きだけど…」


和「けど、なんなの?」



君から翔くんを取り上げてまで、って思ってなかった。



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