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笑い、滴り、装い、眠る。

第7章 雨の日は家にいて



翔「それ……で?」


「『自分というものがありながら他の人に目移りする人なんて、こちらから願い下げだ、って?』」


翔「…そっか。そうだよな?」



翔くんは大きなため息をつき項垂れた。



「だから、僕に翔くんのこと、お願いします、って?」


翔「え?」



タオルの間から顔を覗かせ、ドングリみたいな目で僕を見た。



「結構引き摺るタイプだから、って。」



僕はタオルを脇に置き、マグカップを翔くんの手の中に置いた。



翔「カズのヤツ…」



ずずっと鼻を啜ってから翔くんはマグカップに顔を近づけ、ぐび、と、一口飲んでから翔くんは僕の顔を見た。



翔「あの…大野さんの話…って?」


「うん。実はそれを踏まえて僕たちのことなんだけど…」


翔「う…うん。」


「このままずっと、付き合あわない?」


翔「え……?」



マグカップを持った翔くんの手の上に、僕の手を重ねる。



「このタイミングでこんなこと言うのはズルい、って分かってる。でも…」


翔「カズに…言われたから?」


「違うよ?僕が君を好きになってしまったから。もっとずっと、一緒にいたい、って思ったから…だから。」



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