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笑い、滴り、装い、眠る。

第8章 花梨―唯一の恋―



翔「しばらく顔を見なかったからどうしたのかな?って思ってた。」


「……ごめん。」


翔「ごめんなさい。ちょっと『くるみ』繋いでくるから。」


「『くるみ』?」


翔「この子。体はこんなに大きくて強面だけど、人間で言ったら二十歳ぐらいの女の子なんだ。」


「へ、へぇ…。」



お…女の子……。



イケメンが連れて歩いているだけでサマになりそうなドーベルマン。



なるほど、よく見ると目は可愛いかも。



じっ、と見ていると、お座りの体勢からいきなり俺に飛び掛かってきやがった。



「わあっ!?」


翔「あっ!!くるみ、ダメッ!」



乗っかられて、顔中ベロベロ舐められる。



「し、しょっ…た、助けて!!」



やっとの思いで引き剥がされた時には二人ともぐったりしている上泥だらけで、



思わず顔を見合せ笑ってしまった。



翔「あっ!!ご、ごめんなさい!!着替え用意するんでシャワー、使ってください。」



そう言う翔も泥だらけのまま家の中へと消えていった。



「……。」



翔が言うところのお年頃の女子、くるみちゃんと俺をこの場に残して。



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