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笑い、滴り、装い、眠る。

第8章 花梨―唯一の恋―



翔「は……い。」


「勘違いしないで欲しいんだけど、別に責めてる訳じゃないから。」


翔「……分かってます。」



でも、泣きそうになってることがどうにも気になって、顔を覗き込んでしまう。



すると翔は、この家に来た経緯をぽつりぽつり話し始めた。



翔「どうしても…あなたに会いたくて…俺…」




仕事の関係で施設を頻繁に訪れていた准一の父親に自分を引き取ってほしい、と直談判したらしい。



「すげぇな…お前。」


翔「だって…このチャンスを逃がしたらもう後がない、って思ったから。」



幼いながら、准一の父親が某か分かった上での行動だったと言う。



翔「でも、あなたと兄貴があんな関係になることは想定外だったけど。」



知ってたのか。



ま、いずれバレるか。



翔「好き……なんですか?兄貴のこと。」


「まさか?言ったろ?友達だ、って?」


翔「でも……」


「カラダの相性がいいんだ。それだけだ、って?」


翔「だって…」



翔の黒い大きなビー玉みたいな目がうるうるになる。



お前、どんだけキュートなんだよ?



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