笑い、滴り、装い、眠る。
第8章 花梨―唯一の恋―
「アホ。当たり前だろ、そんなこと?」
ぽんぽんと翔の頭を叩いた。
「どれが一番うまいんだ?」
翔「え?」
「ケーキだよ!」
翔「えっと……これ、かな?」
翔イチオシのケーキにかぶり付く。
「うめぇな。このチーズケーキ。」
翔「でしょ?俺は一番これが好き。」
「ふーん。お前、チーズケーキが好きなのか?」
翔「うん。」
「そっか…」
翔「大野さんは?」
「俺はチョコレートケーキかなあ?」
翔「じゃあ、今日から俺もそうする!!」
「あのなあ…」
呆れ返る俺の目の前で、翔はリスのようにチョコレートケーキを頬張った。
翔「うん、おいしい!!」
「当たり前だろ!!俺のイチオシなんだから。」
口回りが汚れていることにも構わず、口をモゴモゴと動かす翔に笑みがこぼれる。
翔「な、何?」
「なーんか、ちっちゃいガキみてぇだな?と思ってさ?」
ほら、と、手にしたティッシュで拭くフリをして、
翔の唇にキスをした。
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