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笑い、滴り、装い、眠る。

第8章 花梨―唯一の恋―



翔「どこ?」


「ここ。」



ため息を付きながら、口の端っこについた食べカスを摘まんで食ってやる。



すると、決まって翔のヤツは、



翔「……ありがと。」


「あっ…ああ…」



って感じで、俺の顔を自分の方に向けて唇を重ねてきた。



翔「おはようのキスがまだったの忘れてたから。」


と、ものすご〜くあどけない顔で言うもんだから、


「そっ//////そか。」



って感じで、俺はいつもコイツに振り回されっぱなしだ。







翔「うーん、どれにしようかな?」



パジャマが欲しい、と、鏡の前で正味一時間迷っている翔の後ろで俺はアクビを噛み殺していた。



翔「ね、どっちがいいと思う?」


「どっちでも…」


翔「ちょっと!真面目に選んでよ?」


「たかがパジャマだろが?他人に見せるわけじゃあるまいし?」


翔「そうだけど……。せっかく着るんだったら大野さんと色違いがいいな、って?」


「は?」



翔くん、それってまさか…



翔「俺に似合っても、大野さんに似合ってなかったら意味ないじゃない?だから聞いてるのに…」



まさか、ペアルック、ってヤツですか?



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