笑い、滴り、装い、眠る。
第16章 a little guy
櫻井さんたち3人のテンション高めの話の輪の中に入ることができずにひたすらコーラを飲んでいると、
色白の、ひょろっとした背丈が僕と同じぐらいの男の子が近づいてきて、ボソッと呟くように言った。
和「すいません。ちょっと詰めてもらえませんか?」
「あ、はい。」
男の子は音もなく僕の隣に座りスマホゲームを始めた。
誰?
ストローを咥えたままこちらを見ている僕の視線に気づいた彼が、
スマホに目を落としたまま口を開いた。
和「俺、二宮和也、って言います。」
「え?……あ…っと……僕は……」
和「大野さん、でしょ?」
よろしく?と、やはり、目線を落としたまま小さく頭を下げた。
「こ…こちらこそ。」
和「ね…オタク、隣のお兄さんのこと、好きでしょ?」
「ええっ!?」
つい、大きな声で叫んでしまって注目の的となる。
雅「おーちゃん、どうかした?おっきな声出して?」
何故か、隣の櫻井さんに目がいってしまい、
不思議そうに僕を見る櫻井さんとガッチリ目があってしまった。
「ご……ごめん…なさい。何でも……」
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