笑い、滴り、装い、眠る。
第16章 a little guy
雅「あー!潤にぃと翔ちゃんだあ♪」
小学生にしては高身長な雅紀が細長い手をこちらに向けてブンブン振っていた。
そんな騒々しい雅紀の隣にいた二人の男の子が、釣られたようにこちらを振り返った。
そのうちの一人が小さくペコリと頭を下げている隣に大野くんがいた。
大野くんはまばたきもせずこちらを見据えていたが、やがてふっと視線を逸らしてしまった。
潤「な?ちょっと雰囲気変わったろ?」
「あっ、ああ…」
確かに、初めて会った時とは違っていた。
どこか大人びていて、
悲しそうで儚げで…
潤「おい、次、100メートル走だって?」
松本が小突いてきた。
潤「カズと大野くんが出るらしいぞ?」
「お、おう。」
ちょっと声かけていこうか?と、松本のあとについていく。
松本は大野くんの隣にいる男の子にがんばれよ、とか在り来たりなことを言い、そそくさと立ち去ろうとした。
が、何か言いたげにしている大野くんの視線に気づく。
何だか引っ掛かるものがあって、松本よりだいぶ遅れてついていこうとした時だった。
智「あっ…あの…!」
大野くんに引き止められた。
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