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笑い、滴り、装い、眠る。

第16章 a little guy



年も明けたある日のこと。



智「ねぇねぇ、見て?」



若干ブカブカな学ランに袖を通してゴキゲンな大野くんが俺たちの前ではしゃいでいた。



潤「うんうん。よく似合ってるよ?」



松本がニコニコしながら頷く。



雅「潤にぃ、俺はあ?」


潤「……似合ってる。」



大野くんを見たまま適当に返事をする松本に、雅紀くんが松本の長い足に蹴りを入れた。



潤「いてっ!!何すんだ!」


雅「適当に返事するからだろっ!!」


潤「うるせぇなあ。似合ってる、って、言っただろっ?」



ぎゃあぎゃあと言い合いを始めてしまった二人の間に大野くんが割って入った。



潤「仕方ないな。大野くんに免じて折れてやるよ?」


雅「はあっ?なんだよ、それ?」


智「んもー……やめなよ、まーくん?」



かく言う俺は、コイツらのことをずっと冷めた目で見ていた。



何でか?って、そもそも……



和「そもそも我々何でここにいるんですかね?」



そう、そこ!!そこだよ?



潤「細かいことは気にするな、カズ。」


雅「そーそー。みんなで勉強したら楽しいじゃん?」


智「まーくん、勉強しに来てたの?」


和「お前、櫻井さんにお金ちゃんと払えよ?」


雅「何で?」


和「何で、って?大野さん、お金払ってるじゃない?タダで勉強教えてもらおうなんて、何厚かましいこと考えてんの?」


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