笑い、滴り、装い、眠る。
第16章 a little guy
至極まっとうなことをもの申す和也くんの後ろで松本がうんうんと頷く。
和「で、俺の質問に誰か答えてくれる人は?」
雅「だーかーらー勉強しに来てんだってば!」
和「金も払ってないのに?」
雅「うるさいなあ。後で払う、ってば!」
雅紀くんの目的は分かった。
が、問題はコイツ。
潤「大野くんは、さ、中学校に入ったら、部活はどこに入るの?」
雅「おーちゃん、絵が上手いから美術部に入るんだよね?」
松本が雅紀くんをすごい目で睨んだ。
「へえ……大野くん、絵が上手いんだ?」
智「そ、そんな……大したことないよ?」
俺と目が合うと、大野くんは真っ赤になって俯いた。
何か……可愛いな?
雅「えー?あるじゃん。この間、ナントカ、っていう絵のコンクールで賞取ってたじゃん?」
智「え?賞、っていっても佳作だよ?」
雅「そう?あのコンクールで小学生が賞をとったのは珍しい、って言われてたよ?」
智「そうなの?」
二人のやりとりを眺めていた俺の後ろで松本が鼻で笑った。
松本を睨み付けてやると、松本は俺の側近くに来てこう言った。
潤「顔…デレてるぞ?」
「……っ!?」
お……お前にだけは言われたくない!!
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