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笑い、滴り、装い、眠る。

第16章 a little guy



「まあ、そんなとこだ。」


潤「否定しないんだな?」


「うん。」



松本は深いため息をついた。



潤「俺……帰るわ。何で?なんて、野暮なこときくなよ?」


「聞かねぇよ?」


潤「悪いな?暇潰しに付き合えなくて」


「……いいよ?俺の方こそ呼び出してごめん。」



松本は振り返ることなく去っていった。



俺は大野くんを待ってる間、その辺をぶらついたり車の中で仮眠をとったりして時間を潰した。



映画でも見に行けばよかったかな?なんて考えてたら爆睡してしまったらしく、



大野くんが車の窓をコツコツ叩く音で目が覚めた。



「どうだった?」



安堵したように笑う顔を見て、聞くまでもなかったな?と思った。



「じゃ、行こうか?」


智「はい。」


「あのさ…」



大野くんは嬉しそうに助手席に乗り込み、シートベルトを装着しようとして手を止めた。



「水族館じゃなくて、海行かない?」


智「でも……今日は寒いですよ?」


「そういう気分なんだ。なんなら俺の上着貸してあげるから。」


智「はあ…」



しふしぶという感じだったが、俺たちは海へと向かった。


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