笑い、滴り、装い、眠る。
第16章 a little guy
それからはどういうシチュエーションがいいのかと考えるあまり挙動不審になってしまい、大野くんが何となくだけど俺から距離をとっているのが空気で分かった。
智「……。」
…み…見てる。
…すっごい…見られてる(汗)。
まるで見ちゃいけないものを見ているみたいに怯えてる……ようにも見えるが。
大野くんはすでにジュースを飲み干してしまったにもかかわらず、まだストローをずるずると吸い上げていた。
大野くんはどれくらいそうしていたのかは知らないけど、俺と目が合うと慌てて空のグラスに目線を落とした。
そんなに変か、俺?
…まあ…そうかもしんない。
どうしたら、そういう雰囲気に持っていけるか、って、さっきからずーーーーーーっと考えてるし。
……て、そんなことに気をとられてるなんて、
俺もフツーの男だった、ってワケだ。
そして、何気に大野くんに目を向けると笑いかけてくれるので、俺も笑い返した。
……。
何か、想像できないなあ。
大野くんと俺がヤってるところ、なんて。
なんせ、小学生の時から知ってるから。
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