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笑い、滴り、装い、眠る。

第16章 a little guy



「シャワー空いたよ?」


智「……うん。」


「綺麗だね、月。」


智「そうだね…」



智くんは少し振り返り、また、夜空を見上げた。



俺は髪を拭きながら智くんの隣に立つ。



さすがに上半身真っ裸で外に出るには寒すぎて少し鼻をぐずぐずしていると、



智くんがコワイ顔で俺を見た。



智「もー、ホントに風邪引いちゃうよ?」



ほら、入ろう?と智くんは俺の背中を押した。



「はいはい。」



苦笑いしながら従うふりをして、



俺は智くんを抱きしめた。



智「あ…あの…」


「こうしたら体が冷えないでしょ?」


智「そっ…そうだけど…」



温かいどころか、



熱くて、でも、ちょっと……いい匂いがした。



もしかして、俺、ってヘンタイ?



と、しても…別にいいよな?



付き合ってんだし?



智「あっ…あの…翔くん?僕…。」



俺の腕の中でじっとしてた智くんが口を開いた。



智「僕…シャワー……」


あ…そっか…



「ご……ごめん。行ってていいよ?」



ぎこちなく笑うと、智くんはベランダに立ち尽くす俺を残し部屋の中に入っていった。


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