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笑い、滴り、装い、眠る。

第16章 a little guy



智side


ちょっと……ドキドキしちゃった……。



翔くんに抱きしめられた時、とうとう来たか、って。



でも、僕、ってば、シャワー行く、って。



慌てて体に纏わりついた泡を洗い流してバスルームを出た。



髪以外の水気を綺麗に拭き取ってタオルを頭から被ったままリビングへと戻った。



微かに聞こえてくるテレビの音。



見てるのか見ていないのか、ソファーに寄っ掛かっている翔くんの背中が見えた。



そっと前に回り込むと、翔くんは固く目を瞑っていた。



しかも上半身は裸のまま。



もう。風邪引く、って、あれほど言ったのに。



僕は寝室に行き、シーツを手に戻った。



そして、時折鼻を啜る翔くんの体に掛けた。



「……。」



僕は翔くんの隣に腰かけ、肩に掛けたシーツを持ち上げその中に潜り込んだ。



その中はスゴく温かくて、



僕は濡れた髪のままその心地よさゆえに睡魔に負けてしまっていた。



時間にしてどのくらいだったのかは分からないけど、



目が覚めたとき、僕は翔くんと肩を寄せあうようにしていたようで、



翔「起きた?」



翔くんは寝ぼけまなこの僕を見て微笑んだ。



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