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笑い、滴り、装い、眠る。

第16章 a little guy



智「あ…ねぇ翔くん?」


「…な…何?」



やっぱやめる、はナシだよ?



智くんの肩を抱き、キスしようと顔を近づけた時、



智くんが待ったをかけてきた。



智「あれ………持ってる?」


「あれ……って?」



智くんはポケットに手を突っ込んで何かを取り出した。



智くんの握りしめた手のひらを開くと、



前に松本から持たされた例のあれが現れた。



智「二宮くんが松本さんから言付かってきた、って。」



ま…松本…お前、ってヤツは?



智「これ、って、あれでしょ?コン…」



智くんが言い終わらないうちに、俺も同じものをポケットから取り出した。



「俺も…松本から持たされた。」



智くんも、初めは驚いていたようだったけど、



少し恥ずかしそうにしながらも笑ってくれた。



智「お揃い……だね?」



いやいやいや、おんなじヤツからもらってるし?



気を取り直して、仕切り直して、って感じで智くんに向き合う。



が、俺はあることに気がつく。



……どうでもいいことかも知れないが。



「あの…」


智「うん?」


「シャワー……どう……する?」



あっ!!言っとくけど、決して変な目論みがあるから言ってんじゃない。



俺だけシャワーしちゃったから、申し訳ないと思って?



……なんて。



くどいようだけど、決してあわよくばとか、とか思ってないからな?



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