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好きなんですけど、こっちは

第2章 大切だから sideM

なんとなく、不安がよぎる。

ニノは俺のうなじに唇をつけて…止めて、しばらくして出て行った。

ニノはいろんな人に可愛がられる。
顔もかっこいいし、周り見てるし、頭もきれるし…。

釣り合うわけない。

どうしようもなく不安に襲われることがある。
そう。
確かにニノとは深い関係だが、好きだとも愛してるとも言われたことない。

いつだって言葉は俺だけ。
ニノは俺の愛の言葉に照れたように笑うだけ。

もしかして…一方通行?

胸の奥がズキっと痛んだ。

まだシーツにはニノの香りが残っている。
忘れぬよう思い切り吸い込んだ。

ニノ…、俺、ニノの幸せを守るよ?
もし、他に好きな人がいるなら教えて?
女でも…男でも、俺が応援するよ。

君のことが大切だから。

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