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好きなんですけど、こっちは

第3章 どうしたらいいんですか? sideN

どうしたらいいんですか?
…潤くん。

「ニノ、元気なくない?」
明日がオフだって夜、俺は潤くんの部屋じゃなくて…相葉さんの家にいた。
「いや?今日は飲んじゃいましょう!」
「うん、飲もう飲もう!」

なんであんなこと…。


数時間前。
楽屋に入ると潤くんと相葉さんがかなり盛り上がって話してた。
「お疲れっす。」
適当に挨拶してゲームでもしようとした時、潤くんに手首を掴まれた。
「なぁ、ニノも行こーぜ?」
え、人前だよ?ここ。
手とか…まずいって。
「え、行くって…?」
「松潤、今日、うち来るの。ニノもおいでよー。」
「え、あ。」
何考えてんの、あんた。
明日、オフじゃん。
俺の予定では、あんたの家でほら…こう、いちゃいちゃ?したいなっていう。
「いいよな!」
無邪気に笑いかけられてうなづくことしかできなかった。

「松潤、ニノ、帰るよー!」
「はい。」
「ごめん!先行ってて!」
潤くんが手をあわす。
「ちょっとスタッフさんに呼ばれちゃってさ。」
「それなら、待って…」
「いいいい!家わかるし、終わったらすぐ行くわ!」
半ば押し出されるように楽屋を出て…。
今に至る。

あの人は来なかった。
相葉さんの携帯には「ご飯に誘われたからいけない」と連絡があったそうだ。
…俺の方にはなんも連絡ないのに。

なにこれ。
もしかして、終わりのサインですか?
唐突すぎない?
昨日は好きだの、愛してるだの言ってくれたのに。
それ、信じてたこっちがバカってこと?

…わかんねーよ。

「ニノ、顔色悪いよ?」
「うん、ちょっと…。」
「今日は帰った方がいいよ!タクシー呼ぶ。」
いや…今、家帰ったらさ、すげー寂しいわけ。
目が覚めたら1人で。でも、きっと俺は無意識に隣りにあの人、探しちゃうのよ。
「帰る体力もないから、ここで休んでいい?」
「それはいいけど…。」

ドラマだったらさ、ここで王子様は迎えに来てくれんのにね。

…どうしたらいいんですか。

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