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恋人は王子様…!

第10章 お気に召すまま sideN

今から、家くんの?

いいけど…。
むしろ、嬉しいけど。

でも、部屋片付いてない

どうしよ…

道の真ん中で立ち止まる

うう…

悩む心を映し出すように雨が降り出した

「雨…」
フードを被って、携帯をポッケにしまった。
「おい、返事しろよ」
突然、背後から抱きしめられた

「…潤くん?」

「ちょっと来い」
手首を掴み、潤くんが走り出す
どんどん強くなる雨の中、必死でついていく

水も滴るいい潤くん

かっこいい王子様

「やべ、すげー濡れたな」
普通のこと言ってんのに、濡れた潤くんが言うとなんかセクシーだ
「タオルつかって」
「ありがとう」
「シャワーも使って」
「ありがとう、てか、カズのお母さんいないんだ」
「なんか、今日から親父と旅行」
「まじ?」
「うん」
これってお泊りの流れですよね?
親がいない間にちょっと激しいこと…
「ごはんとか大丈夫なの?」
「え、あ、ごはん?」
また淫らな妄想をしてしまった
ごめん、天使
「よかったら、飯作るよ」
「あ、ありがとう」
王子様なの?
それともお嫁さんですか?
「で、でも、ほら冷えたらダメなので先にシャワー浴びて下さい」
「うん」

潤くんがナチュラルに俺の手を取る
「ん…?ん?」
脱衣所を通り越して、服を纏ったまま蛇口をひねる

「潤くん!服!」
潤くんは気にする様子もなく、髪を掻き上げる
「カズ、今日のあいつ、誰?」
「研究室の…」
「いつも一緒にいんの?」
「いつもってか…研究室では…」
「嫉妬でおかしくなりそう」

え、今、何と?

「キス、して?」
シャワーを浴びながら目を閉じる潤くんはもう彫刻のような美しさがあった

ドキドキを抑えて唇を重ねる

「カズ。」
「潤くん。」
「縛りつけちゃいたいよ」
あーー!潤くん可愛い!
「何、笑ってるの?」

「なーんも。」
俺のことで嫉妬して、俺のことでイライラしてる姿が愛おしい
「とりあえず、服、脱ごうよ。身体が重たい」

潤くんがうなづく

好きなだけ縛って
気のすむまで壊して

あなたのお気に召すままに

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