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恋人は王子様…!

第9章 宣言 sideM

なんだよ、あれ

カズとカズの友達の背中を見送る

スイーツ興味あんなら俺に言えばいいだろ
何へらへら友達と楽しそうに来てんだよ

醜い独占欲に胸が苦しくなる

カズが彼のお皿に手を伸ばす
ぶーたれた彼もカズのケーキにフォークをさす
…よっぽど、楽しそうじゃん

「潤、どしたの?」
「悪ぃ、用事あるから帰るわ」
「え、ちょっと潤くん!」
「潤!このあとナイトアクアリウム行くって言ってたよね?」
「ごめん、マジで」
「潤!」

カズたちがこっちを見てる

大丈夫かな?
彼の口が動く
大丈夫大丈夫
カズの口が動く

なにそれ

「あー…そうだった。アクアリウム行くんだった」
「もーびっくりするじゃん」
「潤くん天然!」
ははは、なんて笑って席に着く

カズなんて知らねーよ
いちゃいちゃすんなら自分の大学でやっとけよ

好きすぎてしんどい


次に顔をあげるとカズたちの姿はなかった

「ナイトアクアリウムちょー楽しみ!」
「二人一組で参加するゲームあるんだって!」
「わたし、潤くんとがいい!」
その時、携帯のディスプレイが光った

『カズ:友達となんかあったんですか?大丈夫でしたか?』

…ばか。
「ごめん、俺やっぱパス」
「潤?」
「恋人に呼ばれちゃったわ」
茶化して笑うとみんながざわめき出す
「潤、付き合ってる人いんの?」
「え、どんな子?」
「うちの学校?」
「んー…超インドアで色白のカワイイ子。」
適当に返事をして立ち上がる

『今から家行くわ』

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