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恋人は王子様…!

第2章 世界が違うのか? sideN

潤くんの学校の学祭の朝、なぜかそわそわして、早く目が覚めて。
別に行かないのに。
…いや、やっぱり、行ってみようかな。

自分の恋人が普段どんなキャンパスで、どんな人たちと過ごしてるのか見てみたい気もする。

「かずなりー、今日ヒマならお留守番しててー!」
たく、うちの母親は俺のこと番犬にしか思ってないじゃないですか。
「ごめん、今日用事ある」
「え、なに。あんた、休みの日に用事あるの?」
「んー…すぐ戻るけど。」
「えー、お母さん、潤くんの学校の学祭に行きたいのに。」
「え、俺だって…」
「あら、行くなら一緒に行く?」
「いいよ、大学生にもなって親と学祭とか」
うちの母親も潤くんがお気に入りだ。
潤くんは優しくて、かっこいいから。
潤くんが家に来るたびに、弾丸でしゃべる。
潤くんはあの天使の笑顔でうなづいてて…なかなか2人で部屋に戻れない。

「じゃあ、お母さん先に出るから鍵閉めて出てきてね!」
こんな服持ってた?というような綺麗な格好をして、母さんは出て行った。

「俺もそろそろ出なきゃなー」


結局行くなら、潤くんと一緒にまわればよかったなぁ。
ないだろうけど、キャンパスですれ違ったりして…?
はやる気持ちを抑えて、☆大の門をくぐった。
「すっげークオリティ」
屋台のレベルがうちの大学とは比べ物にはならない。
「学祭ってこんなに盛り上がるんだ」
人混みを掻き分けると、一際、人が集まっている場所があった。
黄色い声がキャーキャーとんでいる。

「芸能人でもきてんのかな?」
ここに突っ込んでいくような野次馬根性はないけど、それなりに気になる。
さりげなく、背伸びをした…時だった。

「潤!うちの店寄ってってよ!」
潤?
「松本さん、ミスター応援してます!」
「握手して!」
「かっこいい!」
台風の目には潤くんの姿が確認できたわけで。
「ねぇ〜、潤、一緒にまわろうよ♡」
「潤さん、ほんとに彼女いないんですか?」
着飾りに着飾った女子たちが潤くんの腕や肩を触っている。

…気づいてましたけどね。
潤くんめっちゃモテること。

でも、でも胸がいたいや。

潤くん、女子に囲まれて、触られて。

ワタシの恋人はとんでもない人気者です。

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