テキストサイズ

恋人は王子様…!

第6章 襲ってください sideN

ベッドに潜ると潤くんも潜ってきた。

お風呂のあとで、なんとなく二人ともほっこりほわわんしている。

「カズ、気持ちよかったね」
「そうですね」
あれ?
潤くん、とろーんとしてきて、そのまま寝ちゃうんじゃない?
「うーん…、ねむい」
あ、やだ。
潤くん、このまま寝ちゃやだ。
「潤くん…」
「おやすみ」
あ、寝ちゃった。

「いちゃいちゃ…しないんですか?」

潤くんはもうすやすやと寝息をたててて。

「潤くん、襲ってよー…」

うう。

「潤くん、潤くん、潤くん」

だめだ。
寝てる。
爆睡。
熟睡。
ばか潤くん。

仕方なく、目をつむる。

好きな人の隣りにいるのに、一人でいるより寂しいです。

「カズ」

不意打ちで呼ばれて、どきりとする。
「潤くん?」
…寝てる。
「カズ…カズ」
「ここにいますよ」
ぎゅっと抱きしめると安心したように吐息が落ち着いた。

きっと、疲れたんだよね。
たくさんの人に注目されて、ストレスもあったはず。
平然と笑ってるあなたはすごいよ。

今は安心してこのままいて。

潤くんの寝息が一定のリズムになる。

こんな姿は俺だけのもの。
この顔は俺だけのもの。

…大切にするよ?王子様。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ