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恋人は王子様…!

第8章 ヤキモチやいてくれますか? sideN

ちょっとアブノーマルな戯れを思い返してはにやけていた

「ニノ、なににやけてんの?」
研究室の友達に肩をたたかれた
「別に?」
「このあとヒマ?」
「うん」
「☆大の学食行かね?」
「え、行かねーよ。めんどくさい。」
「えー、行こうぜ?」
「やだ」
いい、なんて言ってないのに、腕を引っ張られ教室を出た。
「☆大で夏のスイーツウィークやってんだって!1人で行くの怖いしさ」
「で、俺も行くの?」
「うん!」

いつ見てもキャンパスの広さが際立つ。
☆大ってここのへんじゃ、やっぱり華やかさの象徴。
学生も建物も敷地内すべてが別空間だ。
そのミスターが彼氏なんだけどね。

「学食っつーか、カフェみたいだな」
「そうだな」
入るのを躊躇っている時だった。
「あ、あれ、松本潤じゃね?」
「え?」
男女のグループが学食に入っていく。
あ、あの黒の革ジャン…。
「やっぱ、かっけーな!」
「う、うん。」
なんか顔面偏差値高いグループだなぁ。
その中でもピカイチの潤くん。
男に肩を組まれ、女に腕をつつかれ、潤くんは笑ってる。
「ほら、ニノ行こう!」
「うん」
あんなこと、わかってましたし!
あんだけ、かっこよくてモテないわけないですし!

開き直って、友達と学食に入っていった。
「何にする?」
「おれ、水まんじゅうとわらび餅」
「和菓子ばっかじゃないですか!」
「ニノは?」
「夏みかんのチーズケーキとレモンゼリーかな」
「女子力高」
「るせ」

「…カズ!」

え…。
「カズ、どしたの?」
「潤くん?」
「え、なに、ニノ、松本潤と知り合い?」
「カズ、なにしてんの?」
「友達と、おやつ」
潤くんの目が冷めたように細まる
「いいじゃん、うちの大学にはこういうのないんだしさ。潤くんだって友達とごはん食べてるしさ」
「なにそれ」
なにそれってなに
「ニノー、松本潤と知り合いなら言ってよ!あの、握手してください!」
「あ、はい…」
潤くんが恐る恐る手を出す
「すげー!顔ちっさ!イケメン!」
「あ、ありがとうございます」
「ニノ、おれ、松本潤と握手しちゃったわ!」
「よかったね」
潤くんがパチクリと俺を見た
「手洗えねー。てか、早く食べようぜ!」
「うん」
引きずられるように連れて行かれる

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