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路地裏酒場の占い師

第1章 あ、忘れてた!「お題小説参加作品」(ここに書くな!)

 おそらく、このキャラがかわいいと思っているのかしら?

 逆にうざいんですけど……。

 よく見る地下アイドルの、頭いかれた感じの娘によくいるわね。

「あなたは、将来なにになりたいのかしら?」と聞いてみた。

「わたし、小さな小さな、あまぁ~いイチゴになりたいの」

 お前、さっきまでウサギだったじゃないの。

 なぜ、植物にいくの? なりたいなら、一度死ぬしかないわよ。

 これは私に、神様が「いいから、トドメをさしなさい」と言っているのかしら?

 夢の石に、さりげなく映し出した。

 結果、気持ちはわかるが、今は耐えろと夢の石は答えた。

 神様、それはあまりに酷では……。

「あのぅ……占ってもらえるんですよね?」

 ハッ! そうだったわ。そう、私の仕事を忘れてはいけない。

「あ、そうね。まず、うちはスナックだから、注文してくれる? それと、名前と生年月日教えて」

「はぁ~い、じゃあ、鬼ごろし1杯ください。昭和63年11月11日生まれの、永遠の16歳。福澤愛奈でぇ~す」

 ガチガチの日本酒!? それにこの娘……昭和!? 平成入ってないんかい!! もう、30きとるやないかい!! それで永遠の16歳て、年半分いっとるやないの!!

 どこをどうはずれて、こんな娘が出来たのかしら?

「えっと……わかった。ちょっと待ってね」

 鬼ごろしはあるわ。1杯なみなみについであげた。

「あ、お姉たま。私、冷やでいいですわ」

 お姉たま!? まあ、おばさんよりか、マシね。でも、この娘からしたら……お姉さんになるのかしら?

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