どうして私だけ…
第1章 生活
学校の廊下には、
この間の1学期中間テストの結果が張り出されていた。
8位 小松原凛花
「凛花さん」
胸元の名札を確認した国語のおばさん先生、
八坂先生が、
凛花の前で立ち止まった。
「おめでとう。で、純奈さんは?」
「たぶん、朝練かと思います」
凛花は肩をすくめた。
八坂先生は、
2年生からの純奈の担任の先生になった。
二人は去年から八坂先生に国語を教わっていたから、
何かと純奈と折り合いが悪いのを
凛花は知っている。
「あなたの順位をそのままひっくり返して
後ろから数えたくらいよ、
今回の純奈さんの成績」
八坂先生は小太りの身体を揺らして喋る。