運命の人
第2章 初めての会話
藤原課長は、すぐに本社によばれその週は東京で働いていた。
そう、また同僚の長澤さんと二人である。
しかも今回は、
とても難しい住宅ローンを通さないといけないのである。
藤原課長がいないなか、どこがとおるところがないかと探していた。
そう、心配してたとおりそのお客様はいわゆるブラックであった。
ブラックというのは、過去に借り入れしているお金を返さず
銀行が貸せないと判断するお客様である。
こういうお客様の場合、出来る限りの銀行に審査をし
金利が高いと貸してくれる銀行もあるのだ。
まりな
(このお客様は、本当に家がほしい。)
(なんとしても買わせてあげたい。)
わたしはそんな気持ちでいっぱいだった。
藤原課長に頼ろうにも、それどころでないことは明確だった。
わたしは、米田課長に久しぶりに連絡した。
まりな
『米田課長、ちょっとお力を貸していただきたいのですが、、、』
米田課長
『どしたの?大丈夫?』
わたしは、全ての事情を説明した。
実は、わたしはこのとき予算達成のためにどうしても
このお客様をまとめるよう本部長から指示されていた。
わたしは、精神的にも米田課長にすがった。
米田課長の声を聞いたわたしは、安心して涙がでた。
まりな
『すみません。。。グスッ』
『なんかいっぱいいっぱいで…』
『あとはどういう方法があるかアドバイスをいただきたくて。』
米田課長
『なるほど。』
『じゃあ、ここの銀行にこういう内容というところまで担当者に話して』
『でこの部分はこの銀行に審査だしてみて』
と細かくアドバイスをくれた。
米田課長
『永石、大丈夫だから。』
『落ち着いて、またどうなったか教えて。』
まりな
『ありがとうございます...グスッ』
本当に気持ち的に救われた。
わたしは出来る限りのことをした。
休みの日も銀行に電話をかけ、
なんとか住宅ローンを貸してくれるところがないか必死に探した。
胃痛と、不安とで押しつぶれそうになった。
だけど、出来る限りのことを全力でした。