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事務所には、私を含めて８人いた。

わたしの所属する営業部の部署は、
藤原さん（課長）と同期の長澤さん（２７歳）の３人だった。

長澤さんは、不動産の経験者で見た目はフットボールアワーの後藤さんみたいな人だった。

わたしはすぐに長澤さんと仲良くなった。


初日、銀行口座の開設や入社手続きを午前中にすませて
午後からは藤原課長と３人でミーティングを行った。

正直、お昼も食べる時間もなくその日は激務という印象で終わった。

あっという間に終業時間の２０時になった。

へとへとになったわたしは、藤原さんにどきどきなどそんなどころではなかった。


翌日、やはり仕事は激務だった。

わたしの主な仕事は、お客様から問い合わせがあった物件に対して案内のアポイントをとり、案内をし、契約をしてもらうという内容だ。


この問い合わせから、アポイントをとるのがひとつ至難の作業だった。

電話の対応、資料請求のみ、やっと案内の約束ができてもすぐに購入する意欲がないお客様もたくさんいた。

すごい競争社会のなか、がむしゃらに毎日をすごしていた。


すると、同期の長澤さんはすぐに契約を１件獲得した。


わたしは仕事モードになり、一生懸命仕事をしていた。


２月になり、全体会議が東京の本社で行われた。


藤原さんには、彼女がいるとどこかで確信していたわたしは
もしかしたらと、ここで会う人たちに期待していた。


一人、福岡の支店長のみ欠席していた。

彼の名前は、米田支店長。


聞くところによると、彼は社内恋愛の末結婚しどうやら新婚旅行にハワイ行っているらしい。


２月は、不動産会業界は繁忙期である。

支店長がいないことは少し印象的だった。

ただこの時期でも、有給が使える会社であること
役職者でも取得可能である会社がすごい環境だと思った。


せっかく本社の東京にいても、あまり他部署の人と話すことなく
わたしはずっと同僚の長澤さんと行動していた。


長澤さんには、長年付き合っている彼女がおり同棲していることなど
新幹線のなかで初めてたくさん話した。


とても話しやすく、お兄ちゃんみたいな存在だ。


会議は正直わけのわからないまま終了した。


ただ藤原さんは若くして責任者なのがすごいと憧れた。