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無表情の宇野くん

第104章 宇野くんと卒業式。

卒業式というのは、涙あり、そして新しい出会いに向かう一歩でもあるのです。


私たちは、それぞれ高校にいったり、就職したり、そうやってまた出会いの種を紡いでいく。


ただ、同じ道を選ぶ人は少ない。


宇野くんとも、五味さんとも、大毛さんとも、きっと私は別の道を行く。


みんなとは、この日をもって、お別れなのだ。


しかし、友達という縁があれば、また出会えると私は思っている。


だから、私が今流しているのは、悲しい涙ではない。


宇野くんは、この時もずっと無表情だった。

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