君がいる風景
第14章 男子会
「智くん、智くん、おはよ朝だよ」
「はよっ……翔ちゃん…」
「昨日は酔っぱらっちゃってごめんね。
シャワー浴びてく?朝ご飯パンしかないけど…」
「んん、いいや。
いっぺん帰るからさ。
それよりもさ、よっと…!!」
「んぁ、智くんっ…んふ…んんぁ」
覗き込むように俺の顔を見つめてきてた
無垢で無邪気な翔ちゃんに
かなり濃厚な目覚めのキスをする。
抱き寄せて、布団に押し倒して
見下ろすようにしながら角度を変えて深く長めのキス。
「はぁ…はぁ……さと……んんっ…」
「翔ちゃんっ…好きだよ…」
くちびるを放してそう告げると
涙目になりながらまっすぐに俺を見るんだ。
瞳の奥に見えるのはほんのわずかな恐怖心みたいな色が見え隠れしてる。
翔ちゃんにそんな思いにさせてんだ
そう思うと戦意喪失になって
優しく髪を擽ぐるように撫でてあげた。
翔ちゃんのすべてが欲しい
言葉で言うのは簡単だけど、
翔ちゃんにとって
はじめての恋愛、しかも恋人は同性の男で
乗り越えなきゃいけない課題は山程あるわけで
自分勝手な慾望で追い詰めたりしたくない。
「おはよう、
今日の翔ちゃんもめっちゃかわいい。」
「智くん…」