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君がいる風景

第15章 秘密の


じいちゃんを飲み込もうとするどす黒い塊。

シロは必死にその黒い塊に向かって吠えてた。
やっと玄関先まで帰ってきたじいちゃんに
どす黒いおおきな塊から無数の手が伸びてるのが
見えたその時



シロの激しい鳴き声と同時に近くの大木に雷が
落ちたんだ。



俺はその日から高熱が出て寝込んでしまった。


数日後に目が覚めた時
心配そうな顔したじいちゃんが分厚い掌で額を
撫でてくれてた。



ずっと夢の中でじいちゃんとシロを呼んでたらしい


抱っこしてくれたじいちゃんに
シロのところへ連れてってと頼んだら
じいちゃんちの庭先にこんもりと盛られた盛り土。



それはシロのお墓だった

大木に雷が落ちた日の夜遅くに
シロは亡くなったと聞かされた。


きっとじいちゃんを飲み込もうとしてた
どす黒いおおきな塊からシロが身を呈して
じいちゃんを護ってくれたんだ。




あの雷の日に見た出来事を話しても
母さんも父さんも熱に浮かされて夢でも
見たんだろうって信じてはくれなかったけど


じいちゃんだけは信じてくれた。



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