君がいる風景
第20章 2階の部屋
「あ、智兄、雅紀がね
車出してくれるから、そっちに車で向かうね」
「うちは別にいいけど
帰りは大丈夫なのかよ?」
「雅紀は明日休みだから。
俺と潤くんは明日の、朝にでも送ってもらうか、
歩いて帰ってもいいし
あ、あと翔ちゃんも誘って行こうか?」
まだこいつにも誰にも俺たちのことは言ってねぇ
「いや、翔ちゃんにはもう来てもらってて
朝から掃除手伝ってもらってたんだ。」
「………ふーんそうなんだ
あ、あと、ケーキはチョコで良かったよね?」
「そりゃガキの頃の話しで、今はなんでも食うし、
チョコでもなんでも文句も言わねえよ。
それよりも裏の駐車場開けとくからそこに
車入れておけよな。」
「わかった、じゃあね」
どのタイミングで言い出すべきだろう。
あいつらなら受け入れてくれるし、
たぶん理解もしてくれるとは思うけど
まだ、もうすこし2人だけの秘密にしてて
おきたいって気持ちもあるんだ。
同性同士のカップル
俺は周りのことなんてぜんぜん気にしねぇ
でも、
たぶん真面目な翔ちゃんは周囲の目や周りからの
言葉には敏感だと思うからさ。
好奇な目なんかに晒してやりたくない。