君がいる風景
第3章 歓迎会
「俺、大野さんにぜひ来てもらいたいですっ
なかなか大野さんと話す機会がないから
だから明日、絶対に来てくださいねッ!!」
一気にまくし立てられると頷くしかなくて
気付いたら、すぐ目の前まで櫻井が迫ってきてて
ガキみたいに小指絡めた指切りの約束までしてた。
「じゃあ、俺、先に戻りますね!」
最後に見せた心からうれしそうな微笑み。
約束させられた右手の小指をぼんやり見つめてると
俺のことを探しに出て来た潤に声をかけられた。
「おい、智っ
チーフが怒鳴ってんぞ!」
「んあ?ああ…わかった今行く」
帰りに小さな祠の前でしっかり礼を言わなきゃ
やっと櫻井翔と話すきっかけができた。
それからはチーフに怒鳴られても
ぜんぜん平気で、むしろへらへらしてる俺の様子 を見てウンザリするチーフがいてた。
翌日、
夜の7時集合の5分前
すでに女子連中に囲まれる松潤と櫻井翔が会場の
居酒屋の前に立ってた。
俺に気が付いた櫻井翔が人懐っこい笑顔で
手を振ってくる。
「こんばんは大野さん、良かっ来てくれて」
「よ、まだ中にはいらねぇの?」
「相葉くんがまだ来てなくて…」
「予約してあるっしょ
寒いし中入って待っておこうぜ」
連れ立ってのれんをくぐって店の中へはいった。