君がいる風景
第3章 歓迎会
昨日の夜もスケッチブックを広げてたら
いつの間にか櫻井翔の顔描いていた。
指切りをしてきた時の顔
伏し目がちになりながらはにかむ表情
店の中に戻るときに見せたあの笑顔
気が付いたら色鉛筆で色付けまでしていた。
櫻井翔のスケッチがどんどん増えてくことが
自分でも不思議で仕方なかった
堅苦しいチーフの挨拶、オーナーは参加できない かわりに、参加費は全部支払ってくれるって
太っ腹メッセージで始まり
最初からハイピッチで始まった飲み会。
なるべく隅っこに座ってちびちび飲みたかったのに
潤に捕まって主役の櫻井翔の隣りに座らされた。
幹事の相葉ちゃんはすっかり上機嫌に仕上がってて女子の輪の中にいた。
「大野さんって酒強いんですね」
「普通じゃね、ってかおめえも何気に強くねえか?
かなり呑んでるよな?」
「はい、でも潰れるくらいの量とかは
まだ…呑んだことないです。」
「あのさ、その大野さんって辞めてくんね?
敬語も堅苦しいしさ、呼び捨てでいいし。」
「そんな…呼び捨てなんてできませんよ。
じゃあ…大野くんでいいですか?」