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君がいる風景

第4章 散歩


じっくり背表紙を見つめてさまざまなジャンルの
本を手にとってる見入ってる真剣な顔。
俺は本なんかよりも、すこし離れたところから
そんな翔ちゃんの顔ばっか見つめていた。


「なかなかの蔵書量だったね。
気になる本もいろいろあったし」

「よかったじゃん。
けど、翔ちゃんちから歩いて来るにはちょっと
距離があるかな」

「うーん、読みたい本は一気に借りちゃうと思うから。
リュック背負って来なきゃね」

「じゃあさ、明日から翔ちゃんちに俺の自転車
置いてってやろうか?
合鍵渡しててやるからさ、俺の仕事が終わるまで
好きに使ってくれていいよ。」

「だっ、ダメだよそんなのっ
智くんが不便でしょ。」

「自転車のシェア。
これで昨日の酔っ払いの迷惑行為チャラにしてくんね?」

とまどいを隠すことなく
嬉しさがこみ上げる顔には花が咲きほころぶような微笑みが浮かんできてる。


「こっちこそ、でも、ほんとにいいの?
うれしいな、自転車あったらすっごく助かるから」

「んじゃぁ商談成立な。
明日からマンションの自転車置き場に置いてくようにするからさ。
バイトない時とか買い物するとき好きに使ってよ」

「智くん、ホントにありがとうっ!!」



図書館を出て
ガキの頃よく遊んだ公園、俺が通ってた小学校に
そのすぐ横にある中学校とか
2人で並んで歩きながら、
くだらねぇ思い出話しなんかで盛り上がったりして
ぶらぶら散策してると
気づいたら、もう夕暮れ時になっていた。



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