君がいる風景
第7章 嵐の夜に
「智くんも、髪拭かなきゃ。
濡れたままだと…風邪、ひいちゃう」
「ありがと、翔ちゃんこのシャツ借りるね」
「…うん、……うわぁ!!」
閃光と同時の雷鳴
肌蹴たままでしがみついてくるから
素肌に翔ちゃんのぬくもりがダイレクトに伝わってきた。
「大丈夫、俺ずっとそばにいるよ。
俺が翔ちゃんのこと守るから」
「…ぁぅ…グズっ…さとし…く…ん」
部屋の隅っこに畳まれてる布団と毛布
手を伸ばして手早く敷くと2人してすっぽり潜り込んだ。
濡れたデニムも脱がせて毛布の外へ放り出して
巣穴に籠ってひな鳥をあたためるように翔ちゃんの
冷えた身体をきつく抱きしめた。
「智くん…っ…あったかい…」
「翔ちゃんもだよ。
それに翔ちゃんすっげえいいかおりがする」
「…「智くん…あのね、俺も…智くんが好き。
片想いの相手も…実は、智くんのことだったから
俺、雷もダメだし、高いところもダメで
料理もできないし…
すっごくへたれで根性なしだよ?」
「へへ、すっげえかわいい。」
「…そう、かな?」
「こんな嵐の夜に告白とかしてごめんな。
でも俺、本気だから。
翔ちゃんのことマジで好きだよ。」