君がいる風景
第8章 告白
はんぶん微睡みの中でまだ寝惚けた口調で
顔を胸元に擦り付ける仕草
「翔ちゃん、おはよう朝だよ。
俺そろそろうちに帰らなきゃ」
ずっとそばにいるよって約束した以上
黙って勝手に帰るのもなんだかさ
「…っ…あ…れ…あれっ?
…さっ、智くん?
なんで?夢じゃない…うそぉ……」
百面相に変わる表情が可愛いくておもわず
頬におはようのキスをした。
「…っん…智くん、もしかして…
ずっとそばに、いてくれたの?」
真っ赤に染まってく翔ちゃんの顔
まるで熟れた果実みたいに食べ頃だなぁって
思って頬が緩んでしまう。
「だって約束しただろ?
昨日のこと覚えない?」
ふるふる首を横にはげしく振ってから
顔を真っ赤にして、うつむいて小さくつぶやく
「お、覚えてる…けど
っどうしよう…すっげえ…恥ずかしい…」
「寒気とかはしてない?
熱は?風邪はひいてない?」
「うん、大丈夫。
じゃなくって!!
俺っ、智くんにすっげえ迷惑かけた…
どうしよう、ごめんなさい…」
「ハハ、ちっとも迷惑なんてかかってないよ。
っていうか、俺のほうこそごめん。
雷にビビってた翔ちゃんに
弱みに付け込んだみたいな感じで好きだって
言ってキスまでしたし」
「うわぁ、わぁわぁぁわぁぁああ!!!」