君がいる風景
第8章 告白
腫れぼったい双眸をして
寝ぐせで髪をぴょんこぴょんこ跳ねさせて
布団の上で慌てふためく翔ちゃんを見てると
すっげえ笑いがこみ上げてきた。
そのままぎゅうっと抱きしめて耳許で
おはようって言うと、
ちいさな声でおはようって返してくれる。
「あのさ、帰る前にちゃんと伝えたいから、
今から俺の告白…聞いてくれる?」
「は、はい」
布団の上で向かい合った状態で2人とも正座した。
ちゃんと目を見て伝えたいから真っ直ぐに
翔ちゃんを見つめると
翔ちゃんとじっと俺のこと見てくれる。
「翔ちゃんのことが好きだ。
櫻井翔くん、
よかったら俺と恋人として付き合ってくれませんか?」
「あの、でも…俺…男だよ?…」
「うん、知ってるし。みりゃわかる。
俺は翔ちゃんのことが好きだから性別とか
ぜんぜん気になんねぇんだ。
あ、もしかして…翔ちゃんがダメ?」
「違っ、ぜんぜんダメじゃないよ!!
俺も智くんのこと…好き…だから片想いの人が
智くんによく似た人って言ったんだ…
初めてあった時から…
智くんと仲良くなりたいって思ってた」
冷え込んでる筈の室内の空気がやけに
あったかく感じるのはきっと俺だけじゃなくて
目の前に座ってる翔ちゃんもおんなじだと思う。