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君がいる風景

第9章 出逢い 翔視点



はじめての一人暮らし

その人をはじめて見たのは
最寄り駅から大学へと向かう朝だった
改札を過ぎた階段の手前に老夫婦の姿が見えた。
その横を早足で通り過ぎてく人達が殆んど

杖をついたご主人と重そうな鞄を手にした
腰の曲がったご婦人

声をかけようかどうしようかと悩んでたその時



「お、ばあちゃんこれ持ってやるよ」



そういって声をかけた青年


デニムにパーカーのラフな格好なサンダルに
ウェストポーチ。
どう見てもサラリーマンの格好じゃないし
通りすがりにチラッと顔を見てみると
俺と同い年くらいにしか見えなくって
先に階段を駆け上って荷物を置くと今度は
ご主人を背中に背負って階段を上りはじめた。


恐縮するご婦人に、その杖を持っててねと
あかるい口調で言葉をかけていた。





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