君がいる風景
第9章 出逢い 翔視点
ある日の帰り道
駅の自転車置き場の横に小さな祠があることに
気がついて、なんとなく手を合わせてみた。
そこで祈ってみることにした
あの人と話しができますように
あの人と仲良くなれますようにって
それからは通るたびに手を合わせてた。
ある寝坊した朝
駅までダッシュしてたら颯爽と追い抜かしていく
自転車に見覚えのある後ろ姿
曲がり角をまがって消えてしまった
息を切らして自転車置き場を探して見てみても
そこにはもう誰も居なくって
うまくいけば駅のホームで出会えるかもしれないって、
そう思ってまた走り出そうとした時
つま先で何かを蹴飛ばした音