君がいる風景
第9章 出逢い 翔視点
「なにこれ?自転車のカギ…」
寝坊してるから時間に余裕がある状況でも無くて
そのままにしておこうかとも考えたけど
落とした人が困るんじゃあって考えて
とりあえず拾ってみた。
だって優しいあの人ならきっと拾う筈だから
けど、どうしよう…
交番に届けてる時間もないし、まだこの街のどこに
交番があるかもわかっていない。
もし大学まで持っていったりしたら、
今日の講義は遅くまであるからそれこそ
落とした人が探してまわって困る事になるしてる
そのとき、目に入ったのはあの小さな祠
苦しい時の神様頼りを思いついた
「神様どうか、このカギを落とした人が
ここにお供えしてるの見てくれますように」
キーホルダーの付いたカギを
そっとお供えして急いで駅に駆け出した。