昭和回想録
第1章 少女・優子
電話のフックを両手で押したまま呼吸を乱
し、うわごとのように
「ごめんなさい。ごめんなさい。」
を繰り返していた。
落ちた!
自分から罪を認めたのだ。
すぐに警察から電話がかかってきたが、万
引きのことは話さずにいた。
警察には間違いだったと伝え謝った。
突然素直になったのは、
俺が本当に警察に通報してしまったからだ。
急に素直になった中学生。
先ほどの小生意気な態度は一つもない。
でも、さっきまでエロ本を読んで興奮して
いた中学生。
俺の本当の意味での特別な取調べが、ここ
から始まる。
俺は、サッシュの鍵をかけ、カーテンを閉
めた・・・。