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押忍!!

第1章 押忍!!

「北都ぉーーっ!! お前の率直な意見を聞かせてくれぇーーっ!!」

 そんな叫ばれても……。

 そもそもキャラとアイテムのギャップが離れ過ぎている。ついでに言うと、頭とメガネのサイズが合っていない。メガネの両サイドのツルが広がって、ハの字になってる。

 かけた時『メリッ』と鳴ったのを、僕は知っている。

 だが、こんな好意的な嫌がらせは初めてだ。もう帰りたい。

 て、言うか、道具入れを片付けるなんて、大嘘じゃないか!!

 アリ地獄ならぬ、神鳥地獄に落とされた。

 こうなったら……僕も死に物狂いの抵抗をしてやろうじゃないか。

 どっちみちこの状況は、癌でステージ4を言い渡されたのとほぼ同じ。生き残るためには……抵抗しかない。

 神鳥という名の癌に打ち勝ってやる。

「か……神鳥さん、僕は似合わないと思います」

 言ってやった。

「なに?」

 ハートの奥に見える、先輩の目が恐ろしい。

 怖じ気付くものか!!

 僕は呼吸を落ち着かせた。

「あの……神鳥さん……そんな、派手なメガネよりも、もっと神鳥さんを着飾るいいメガネがあったはずでず」

 僕はなにを言っているのだろう?

「そんな、ドンキホーテで売ってるようなものではなく、もっといいお店があったはずでず」

「高級メガネ専門店で5万出して買ったんだが……」

 買うなそんなもん!

 似合わないと言われて、先輩はメガネをはずした。

「おい、北都……これ、欠陥品だぞ!! ツルにヒビが入ってるじゃないか!!」

 さっき聞いた『メリッ』がそれだ!!

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