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押忍!!

第1章 押忍!!

「ちょっと待って、カメラを撮り直す」

 それやめてぇーーっ! SNSに流さないでぇ~。

 なんとか、阻止しなければ……。

「神鳥さん、そんなのネットに流しても『いいね』増えませんよ」

「大丈夫、自分で押すから」

「意味無いじゃないですか」

「て、言うか、ちょっと待ってくれ北都」

 さっきからずっと待ってます。

「俺はなぁ……いま胸がドキ……あ、ドキがムネムネしてんだよ」

 ボケを言い直した!? 先輩、やっちまったよ。ただでさえ、つまらないボケなのに、ウケると思ったのか、まともに言ってるのを、あえてボケ直すなんて……。

 でも、あの類人猿顔でドキがムネムネは、まだウケるかも?

「はぁ……なんか、お前が嫌がってるのがモロわかりだな。テンション下がったよ」

「すいません……」

 ヤバい……首をもがれる……。

「北都……今日のところは、これで勘弁してやる」

「はっ?」

「本当は、断りたいんだろ?」

「はい……いや、は、いやいや」

 急にそう来られると、本音しか出てこない。

「いや、お前の素振りでわかってるんだよ北都……俺は、ずっとお前の事が好きなんだ。好きで好きでたまらないんだ。だが、お前の素振りを見ていればわかる。俺に足りないものがあるのか? どうしたら、お前の好みに近付ける?」

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