押忍!!
第1章 押忍!!
「え……どうすればって……」
好みもなにも、性別に問題があるに決まってる。なぜ、そこに気が付いてくれないのだろうか?
「このままでは、俺は受験勉強が手につかないんだ。つねに、お前の事が気になってな……本気で好きなんだ。愛しているんだよ。お前に好かれるように、なんとか努力するから……」
本気のようだ。先輩の目が、空手以外に真剣に光っている。それを見て、僕は今まで胸の中にあった怒る先輩に対する恐怖心が、薄まっているのを感じた。
そして、言葉を選びながら、僕はこう告げた。
「じゃ、神鳥さん……まず、受験に力を入れてください」
先輩の目付きが変わった。少し、眉間にシワをよせている。
先輩は僕の事が好きだと言っている……怒っても、今は手を出さないはずだ。
僕が、先輩の存在に、怯えていただけなんだ。強く向き合えば、話は通じる。先輩の見た目の印象に、自分の中の勝手なイメージがそうさせたんだ。
「神鳥さん……僕はまず、受験を頑張って頂いて、受かったら……その御祝いに、いい返事を受け取ってもらおうと思います」
「北都……」
「他の部員が、神鳥さんに『先輩』とか『主将』て呼んでるにも関わらず、僕がなぜ、名前で呼んでいるかわかりますか?」
「……それって、まさか」
本当は、名前なんて呼びたくないんだよ。だから、心の中では、あんたのことを「先輩」と言ってるんだ。名前で呼んだ方が親近感があって、怖い目で見てくれなくなるだろうと思って……
好みもなにも、性別に問題があるに決まってる。なぜ、そこに気が付いてくれないのだろうか?
「このままでは、俺は受験勉強が手につかないんだ。つねに、お前の事が気になってな……本気で好きなんだ。愛しているんだよ。お前に好かれるように、なんとか努力するから……」
本気のようだ。先輩の目が、空手以外に真剣に光っている。それを見て、僕は今まで胸の中にあった怒る先輩に対する恐怖心が、薄まっているのを感じた。
そして、言葉を選びながら、僕はこう告げた。
「じゃ、神鳥さん……まず、受験に力を入れてください」
先輩の目付きが変わった。少し、眉間にシワをよせている。
先輩は僕の事が好きだと言っている……怒っても、今は手を出さないはずだ。
僕が、先輩の存在に、怯えていただけなんだ。強く向き合えば、話は通じる。先輩の見た目の印象に、自分の中の勝手なイメージがそうさせたんだ。
「神鳥さん……僕はまず、受験を頑張って頂いて、受かったら……その御祝いに、いい返事を受け取ってもらおうと思います」
「北都……」
「他の部員が、神鳥さんに『先輩』とか『主将』て呼んでるにも関わらず、僕がなぜ、名前で呼んでいるかわかりますか?」
「……それって、まさか」
本当は、名前なんて呼びたくないんだよ。だから、心の中では、あんたのことを「先輩」と言ってるんだ。名前で呼んだ方が親近感があって、怖い目で見てくれなくなるだろうと思って……