
愛してるって言って!
第4章 【その愛に中毒を起こす】
その夜、いつもより少し遅れて、静矢が店に忍を迎えに行くと、忍はいつもとなんら変わらなかった。いつもの様に明るく、静矢を労ってくれ、晩御飯は何にしようか、と聞いてくる。だが、それが余計に静矢の胸を痛めた。
「忍、今日来たあの二人の事だけど」
返事をしなかったので、一瞬忍は話を聞いていないか、寝てしまったのかと静矢は思った。
「忍?」
「聞いてるよ」
急に忍の声色が変わった。静矢はその話題を出してしまった事を少し後悔する。
「怒ってるのか」
「別に。おれが怒る事なんてなかったでしょ」
なんて声をかけたらいいかわからず、静矢は黙った。曖昧な関係でいた方がお互いの為で、傷が付いた時もきっと浅くて済む。そうすれば、何かあってもまた家族に戻れる。そう思っていたのに、曖昧だからこそ、今、忍に返す言葉は、静矢の頭の中でこんがらがって、難しくなってしまっていた。
「俺は、再婚はしないから」
そう言うと、忍は視線を面倒くさそうに窓の向こう側へ向けた。
「忍、今日来たあの二人の事だけど」
返事をしなかったので、一瞬忍は話を聞いていないか、寝てしまったのかと静矢は思った。
「忍?」
「聞いてるよ」
急に忍の声色が変わった。静矢はその話題を出してしまった事を少し後悔する。
「怒ってるのか」
「別に。おれが怒る事なんてなかったでしょ」
なんて声をかけたらいいかわからず、静矢は黙った。曖昧な関係でいた方がお互いの為で、傷が付いた時もきっと浅くて済む。そうすれば、何かあってもまた家族に戻れる。そう思っていたのに、曖昧だからこそ、今、忍に返す言葉は、静矢の頭の中でこんがらがって、難しくなってしまっていた。
「俺は、再婚はしないから」
そう言うと、忍は視線を面倒くさそうに窓の向こう側へ向けた。
