
愛してるって言って!
第4章 【その愛に中毒を起こす】
『あなたのそばに…』
夜。嶋はテレビを観ながら、遅い夕飯を食べていた。夕飯、と言ってもカップラーメンとコンビニで買ってきたお新香だけの、なんとも独身の男らしい夕飯だ。さっさとそれを食べ終え、いつも観ているお気に入りの番組が終わると、時計を見ずとも何時だかすぐにわかる。
「もう11時か…」
そろそろ風呂にでも入るか、とテーブルを立ち上がった時だった。ピンポーン、とインターフォンの音がして、嶋は玄関に向かった。宅急便が来るにしては遅すぎる時間だ。
幽霊じゃないとすれば、思い当たるのは三名だな。しかも恐らく…。
案の定、玄関のモニターに映っていたのは、千春だった。
「千春か」
玄関のドアを開け、嶋は千春を迎え入れる。千春はたくさんの荷物を持っていたが、それを投げ出して嶋に抱きついた。
「どうしたんだよ。っていうかこの荷物…。お前タクシーで来たのか?」
「はい。ごめんなさい、迷惑になるってわかってたんですけど…でも、やっぱり僕、もっと嶋さんと一緒にいたくて」
千春は、そう言ってからにこっと笑ってこう付け足した。
「嶋さん、今日からお世話になります」
嶋はジトっとした目で千春を睨みつけた。
「お前、何かあったな」
「あれ…わかっちゃいました?」
千春は苦笑いして、頬を掻いている。
「まぁいい。とりあえず入れ」
「はい!お邪魔します!」
千春は嬉しそうにそう言うと、靴を脱いでリビングに入り、重そうな荷物を置いた。それから、テレビのリモコンを取り、番組表を見る。
「そっかー。今日は動物地球紀行の日だったんですね」
「あぁ。でも今日は外れだ」
「なんで?」
「今日は柴犬だ」
「ふうん。可愛いじゃないですか」
「オレは可愛いものが観たくてこの番組を観てるわけじゃない。大体柴犬は昔飼ってたんだ。今更特集されたところで、新しく得るものなんてない。きっと今回は、ネタが間に合わなかったんだろ」
「そうかな」
千春は、そんな嶋のどうでもいい話を聞いて、クスクス笑った。
「何か飲むか」
「あ、僕自分でやります」
そう言うと、千春は慣れた手つきでお湯を沸かし始めた。やかんがどこにあるとか、コンロのどっち側に噴きこぼれ防止機能が付いているかなど、千春は嶋の家の中の物に、既にすっかり慣れていた。
夜。嶋はテレビを観ながら、遅い夕飯を食べていた。夕飯、と言ってもカップラーメンとコンビニで買ってきたお新香だけの、なんとも独身の男らしい夕飯だ。さっさとそれを食べ終え、いつも観ているお気に入りの番組が終わると、時計を見ずとも何時だかすぐにわかる。
「もう11時か…」
そろそろ風呂にでも入るか、とテーブルを立ち上がった時だった。ピンポーン、とインターフォンの音がして、嶋は玄関に向かった。宅急便が来るにしては遅すぎる時間だ。
幽霊じゃないとすれば、思い当たるのは三名だな。しかも恐らく…。
案の定、玄関のモニターに映っていたのは、千春だった。
「千春か」
玄関のドアを開け、嶋は千春を迎え入れる。千春はたくさんの荷物を持っていたが、それを投げ出して嶋に抱きついた。
「どうしたんだよ。っていうかこの荷物…。お前タクシーで来たのか?」
「はい。ごめんなさい、迷惑になるってわかってたんですけど…でも、やっぱり僕、もっと嶋さんと一緒にいたくて」
千春は、そう言ってからにこっと笑ってこう付け足した。
「嶋さん、今日からお世話になります」
嶋はジトっとした目で千春を睨みつけた。
「お前、何かあったな」
「あれ…わかっちゃいました?」
千春は苦笑いして、頬を掻いている。
「まぁいい。とりあえず入れ」
「はい!お邪魔します!」
千春は嬉しそうにそう言うと、靴を脱いでリビングに入り、重そうな荷物を置いた。それから、テレビのリモコンを取り、番組表を見る。
「そっかー。今日は動物地球紀行の日だったんですね」
「あぁ。でも今日は外れだ」
「なんで?」
「今日は柴犬だ」
「ふうん。可愛いじゃないですか」
「オレは可愛いものが観たくてこの番組を観てるわけじゃない。大体柴犬は昔飼ってたんだ。今更特集されたところで、新しく得るものなんてない。きっと今回は、ネタが間に合わなかったんだろ」
「そうかな」
千春は、そんな嶋のどうでもいい話を聞いて、クスクス笑った。
「何か飲むか」
「あ、僕自分でやります」
そう言うと、千春は慣れた手つきでお湯を沸かし始めた。やかんがどこにあるとか、コンロのどっち側に噴きこぼれ防止機能が付いているかなど、千春は嶋の家の中の物に、既にすっかり慣れていた。
