
愛してるって言って!
第1章 【酒と男と双子の弟】
『ずるくて情けない』
「いらっしゃい!お疲れ様」
カラン、と音の鳴る扉を開けて中へ入ると、いつもの様に、はつらつとした明るい声が、静矢を迎える。
「忍、お疲れ」
こうして毎日、仕事が終わった後に、静矢は必ずここへ来る。そもそも初めは、ただ忍を迎えに来ていただけだったが、最近は、ついでにここで晩御飯を食べて帰る事もあった。嶋も、静矢と帰りの時間が重なると、一緒に晩御飯を食べ、ついでに酒を飲んで帰る。静矢は、店のマスターや忍に申し訳ない、とは思いながらも、今ではすっかりその好意に甘えてしまっていた。
「義兄さん、今日は早かったね!」
「よっ!忍!」
静矢の後ろから、嶋が顔を出すと、たちまち忍は嫌そうな顔を見せた。
「なぁんだ、嶋さんも一緒だったんだ」
「なんだとはなんだ、なんだとは。仮にも常連客だぞ」
嶋は不服そうだ。それには構わずに、静矢がいつものカウンター席へ座ると、嶋もいつも通り、その右隣に座った。
「はいはい。でも、ちょっといっぱい作りすぎちゃったからちょうど良かった。嶋さんも食べてくでしょ?ちょっと待っててね」
忍はそう言うと、すぐに厨房に入って行った。
「いらっしゃい!お疲れ様」
カラン、と音の鳴る扉を開けて中へ入ると、いつもの様に、はつらつとした明るい声が、静矢を迎える。
「忍、お疲れ」
こうして毎日、仕事が終わった後に、静矢は必ずここへ来る。そもそも初めは、ただ忍を迎えに来ていただけだったが、最近は、ついでにここで晩御飯を食べて帰る事もあった。嶋も、静矢と帰りの時間が重なると、一緒に晩御飯を食べ、ついでに酒を飲んで帰る。静矢は、店のマスターや忍に申し訳ない、とは思いながらも、今ではすっかりその好意に甘えてしまっていた。
「義兄さん、今日は早かったね!」
「よっ!忍!」
静矢の後ろから、嶋が顔を出すと、たちまち忍は嫌そうな顔を見せた。
「なぁんだ、嶋さんも一緒だったんだ」
「なんだとはなんだ、なんだとは。仮にも常連客だぞ」
嶋は不服そうだ。それには構わずに、静矢がいつものカウンター席へ座ると、嶋もいつも通り、その右隣に座った。
「はいはい。でも、ちょっといっぱい作りすぎちゃったからちょうど良かった。嶋さんも食べてくでしょ?ちょっと待っててね」
忍はそう言うと、すぐに厨房に入って行った。
