愛してるって言って!
第5章 【夜の闇は白い朝を連れてくる】
昼過ぎになって、静矢は那須塩原駅に向かい、駅前に着くと、そこで靖男が来るのを待った。間もなくやって来た靖男は、両手に大きな紙袋を持っていた。
「やぁ、久しぶり!」
「お久しぶりです、お義父さん!」
「なんだ、すっかり元気そうじゃないか!あっ、これ東京土産と…こっちは母さんからだ」
「なんだかすみません。毎度、毎度頂いてばかりで…」
靖男が静矢の車に乗り込むと、静矢は忍とよく立ち寄る喫茶店に向かって車を走らせた。店に着くと、静矢はいつも通り、二人分のコーヒーを注文する。
「ここのコーヒー、すごく美味しいんですよ」
「そうか、この店は私も初めて来るよ。来る途中も思ったが、随分店が増えて賑やかになったんだな」
「ええ、最近は家の近くにスーパーなんかもできましたから」
「そうか、じゃあ大分便利になっただろう」
「そうですね。住みやすくていい町です、ここは。本当に、その節はありがとうございました」
静矢は、座ったまま頭を下げる。靖男の図らいがなければ、今のここでの暮らしは絶対にあり得なかった。もし、東京のあのマンションで、今も一人きりで生活を続けていたら、自分はどうなっていただろうか、と考えると、静矢は靖男とこの町に、命を救われたような気持ちになるのだった。
「いやいや。静矢くんが元気そうで何よりだよ。前よりずっといい顔になった」
因みに、静矢を救った人間はもう一人いる。
「忍も一緒ですから、心強いです」
忍の名前を出すと、今度は靖男が申し訳なさそうに頭を下げた。
「やぁ、久しぶり!」
「お久しぶりです、お義父さん!」
「なんだ、すっかり元気そうじゃないか!あっ、これ東京土産と…こっちは母さんからだ」
「なんだかすみません。毎度、毎度頂いてばかりで…」
靖男が静矢の車に乗り込むと、静矢は忍とよく立ち寄る喫茶店に向かって車を走らせた。店に着くと、静矢はいつも通り、二人分のコーヒーを注文する。
「ここのコーヒー、すごく美味しいんですよ」
「そうか、この店は私も初めて来るよ。来る途中も思ったが、随分店が増えて賑やかになったんだな」
「ええ、最近は家の近くにスーパーなんかもできましたから」
「そうか、じゃあ大分便利になっただろう」
「そうですね。住みやすくていい町です、ここは。本当に、その節はありがとうございました」
静矢は、座ったまま頭を下げる。靖男の図らいがなければ、今のここでの暮らしは絶対にあり得なかった。もし、東京のあのマンションで、今も一人きりで生活を続けていたら、自分はどうなっていただろうか、と考えると、静矢は靖男とこの町に、命を救われたような気持ちになるのだった。
「いやいや。静矢くんが元気そうで何よりだよ。前よりずっといい顔になった」
因みに、静矢を救った人間はもう一人いる。
「忍も一緒ですから、心強いです」
忍の名前を出すと、今度は靖男が申し訳なさそうに頭を下げた。