愛してるって言って!
第5章 【夜の闇は白い朝を連れてくる】
「忍…」
「ごめん…一人にさせてくれって言われてたのに」
「いや。なんか…なんでかな、泣けてきてさ…」
「うん…」
「嬉しかったんだ。茜は俺達をすごく愛してくれてたんだなってわかったから」
忍は、その手紙の内容はわからなかった。だが、静矢の気持ちはよくわかる。忍だって、茜の遺書が出てきた事は、何か、茜の心がそこにあるような気分になって、嬉しいような、寂しいような、何とも言えない気持ちになった。そしてそれと共に、忍は気付いてしまった。茜は今も静矢の心の中にいて、静矢は、今も変わらずに茜を愛しているのだ、と。
やっぱり…おれは茜の代わりにはなれないって事なのかな…。
「ねぇ、静矢さん…」
静矢は、服の袖で涙を拭いて、顔を上げた。
「おれは、静矢さんが好きだよ」
静矢は少し目を見張ったが、それを既に知っていた様に、小さく頷いた。
「学生の時からずっと好きだった。ずっと…静矢さんに抱いてほしいって思ってた。ここに来た頃もそう思ってたんだ。でも、おれは義理の弟だから諦めてた。そんなのは、あり得ない事のはずだったから…」
「忍…」
「だけど、静矢さんの誕生日の夜、静矢さんがおれを抱いてくれて、あの時はビックリして、訳わかんなくて、でも…すごく嬉しかった。夢みたいだったよ、本当に」
静矢の涙はもう止まっている。その目は今、忍を心配そうに見つめながら、ただ次の言葉を待っていた。
「きっとおれは、茜の代わりなんだなって思ってたけど、それでも良かった。静矢さんの本当の気持ちはわからなくても、おれは幸せだって思えてた」
忍は、泣きそうになる自分を必死で抑えた。
「でも、やっぱり今も、静矢さんの心の中にはちゃんと茜がいて、おれはそこにはいけない。それがね、今更なのに…ちょっと辛いんだ」
「ごめん…一人にさせてくれって言われてたのに」
「いや。なんか…なんでかな、泣けてきてさ…」
「うん…」
「嬉しかったんだ。茜は俺達をすごく愛してくれてたんだなってわかったから」
忍は、その手紙の内容はわからなかった。だが、静矢の気持ちはよくわかる。忍だって、茜の遺書が出てきた事は、何か、茜の心がそこにあるような気分になって、嬉しいような、寂しいような、何とも言えない気持ちになった。そしてそれと共に、忍は気付いてしまった。茜は今も静矢の心の中にいて、静矢は、今も変わらずに茜を愛しているのだ、と。
やっぱり…おれは茜の代わりにはなれないって事なのかな…。
「ねぇ、静矢さん…」
静矢は、服の袖で涙を拭いて、顔を上げた。
「おれは、静矢さんが好きだよ」
静矢は少し目を見張ったが、それを既に知っていた様に、小さく頷いた。
「学生の時からずっと好きだった。ずっと…静矢さんに抱いてほしいって思ってた。ここに来た頃もそう思ってたんだ。でも、おれは義理の弟だから諦めてた。そんなのは、あり得ない事のはずだったから…」
「忍…」
「だけど、静矢さんの誕生日の夜、静矢さんがおれを抱いてくれて、あの時はビックリして、訳わかんなくて、でも…すごく嬉しかった。夢みたいだったよ、本当に」
静矢の涙はもう止まっている。その目は今、忍を心配そうに見つめながら、ただ次の言葉を待っていた。
「きっとおれは、茜の代わりなんだなって思ってたけど、それでも良かった。静矢さんの本当の気持ちはわからなくても、おれは幸せだって思えてた」
忍は、泣きそうになる自分を必死で抑えた。
「でも、やっぱり今も、静矢さんの心の中にはちゃんと茜がいて、おれはそこにはいけない。それがね、今更なのに…ちょっと辛いんだ」