愛してるって言って!
第5章 【夜の闇は白い朝を連れてくる】
「お前は、ずっと苦しんでたんだな」
忍は頷く。
「教えて。おれって静矢さんの何なのかな?」
「忍…」
「お願い。なんでもいいから知りたいんだ。ずっとわからなくて、わからない事が多すぎて、すごく辛いんだ」
声が震える。
ちゃんと、冷静になって話したいのに。
こんな風に話そうとしたんじゃないのに。
だが、気持ちとは正反対に、言葉は勝手に出ていってしまう。
「静矢さんは、おれが…好き?」
静矢は何かを堪えるように、ふうっと一つ息を吐いて、ゆっくりと話し出した。
「俺は、お前にずっと辛い思いをさせてたんだな…。悪かった。お前を、好き勝手にして、傷つけて」
「ううん」
おれだって、それを望んでた。
「俺は確かに、お前を茜の代わりにしていた事もあった。それは嘘じゃない」
忍は目を伏せる。
やっぱり。
「でも、お前を抱いたのは、お前だからだ。茜とは関係ない。ずっと、ちゃんと言わなくちゃいけないってのはわかってた」
「静矢さん…」
忍の気持ちが高揚していく。だがそれは一瞬の事だった。
「だけど、ごめん」
心臓が、ドクン、と揺れたように鳴る。
「俺はお前をきっとまた傷つける…」
待って…。
静矢の言葉の先を感じ取って、忍の心臓の鼓動は更に速くなっていく。
「きっとまた無神経に…」
待って…!
「やっぱり戻ろう。忍」
「静矢さん、待っ…」
「俺は義兄で、お前は義弟だった頃に」
そう言った静矢の言葉は、忍の胸に深く突き刺さってひどく痛み始める。そしてその痛みから逃げるように、忍は家を飛び出した。
忍は頷く。
「教えて。おれって静矢さんの何なのかな?」
「忍…」
「お願い。なんでもいいから知りたいんだ。ずっとわからなくて、わからない事が多すぎて、すごく辛いんだ」
声が震える。
ちゃんと、冷静になって話したいのに。
こんな風に話そうとしたんじゃないのに。
だが、気持ちとは正反対に、言葉は勝手に出ていってしまう。
「静矢さんは、おれが…好き?」
静矢は何かを堪えるように、ふうっと一つ息を吐いて、ゆっくりと話し出した。
「俺は、お前にずっと辛い思いをさせてたんだな…。悪かった。お前を、好き勝手にして、傷つけて」
「ううん」
おれだって、それを望んでた。
「俺は確かに、お前を茜の代わりにしていた事もあった。それは嘘じゃない」
忍は目を伏せる。
やっぱり。
「でも、お前を抱いたのは、お前だからだ。茜とは関係ない。ずっと、ちゃんと言わなくちゃいけないってのはわかってた」
「静矢さん…」
忍の気持ちが高揚していく。だがそれは一瞬の事だった。
「だけど、ごめん」
心臓が、ドクン、と揺れたように鳴る。
「俺はお前をきっとまた傷つける…」
待って…。
静矢の言葉の先を感じ取って、忍の心臓の鼓動は更に速くなっていく。
「きっとまた無神経に…」
待って…!
「やっぱり戻ろう。忍」
「静矢さん、待っ…」
「俺は義兄で、お前は義弟だった頃に」
そう言った静矢の言葉は、忍の胸に深く突き刺さってひどく痛み始める。そしてその痛みから逃げるように、忍は家を飛び出した。