愛してるって言って!
第5章 【夜の闇は白い朝を連れてくる】
「なんか、変ですね。この三人って珍しい気がする」
千春は笑っている。忍は、そんな千春の顔色を窺った。
「ごめんなさい」
忍は、申し訳なく思い、頭を下げた。特に、千春には何度でも謝らなければいけない気がした。
「今更ここまで来て何言ってんだお前。謝るより先に、食え」
嶋は千春にビールを注いでもらいながら言う。
「忍さん、家で何か、あったんですか?」
「何かあったっていうか…」
忍は、今日あった事をそっくりそのまま二人に話した。千春は時々眉をしかめ、嶋は終始イライラしながら聞いていた。
「おれは茜の代わりでもいい。それでも、静矢さんのそばにいられればいいって思ってた。でも、自分でも知らないうちに、どんどん我慢できなくなってくんだ。静矢さんの気持ちが聞きたくて、どうしようもなかった。嘘でもいいから、静矢さんの口から好きって聞きたかった…。だから、聞いたんだ。おれが静矢さんにとって何なのか」
「で、関係を清算しようって、言われたのか」
忍は頷いた。
「戻ろうってさ。義兄と、義弟に」
そう言った時、忍は急にまた背中が寒くなって、くしゃみをした。嶋はそれを見るなり、呆れてため息をつく。
三人が食事を終えると、千春は片づけを始めた。その手際の良さから、千春が嶋と暮らし始めたのは最近ではないとわかる。
「風呂でも入って来い。また風邪ひくぞ、お前」
「いいの?」
「いいから行ってこい」
嶋は怒っているのか、少し不機嫌そうだ。
やっぱり、嶋さんに言ったのはまずかったかな…。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
「あ、忍さん。洗面台の横に畳んであるタオル、使ってくださいね」
千春は忍にそう言って、微笑んだ。けれど、その目はすぐに嶋に向けられたように、忍には感じられた。
千春は笑っている。忍は、そんな千春の顔色を窺った。
「ごめんなさい」
忍は、申し訳なく思い、頭を下げた。特に、千春には何度でも謝らなければいけない気がした。
「今更ここまで来て何言ってんだお前。謝るより先に、食え」
嶋は千春にビールを注いでもらいながら言う。
「忍さん、家で何か、あったんですか?」
「何かあったっていうか…」
忍は、今日あった事をそっくりそのまま二人に話した。千春は時々眉をしかめ、嶋は終始イライラしながら聞いていた。
「おれは茜の代わりでもいい。それでも、静矢さんのそばにいられればいいって思ってた。でも、自分でも知らないうちに、どんどん我慢できなくなってくんだ。静矢さんの気持ちが聞きたくて、どうしようもなかった。嘘でもいいから、静矢さんの口から好きって聞きたかった…。だから、聞いたんだ。おれが静矢さんにとって何なのか」
「で、関係を清算しようって、言われたのか」
忍は頷いた。
「戻ろうってさ。義兄と、義弟に」
そう言った時、忍は急にまた背中が寒くなって、くしゃみをした。嶋はそれを見るなり、呆れてため息をつく。
三人が食事を終えると、千春は片づけを始めた。その手際の良さから、千春が嶋と暮らし始めたのは最近ではないとわかる。
「風呂でも入って来い。また風邪ひくぞ、お前」
「いいの?」
「いいから行ってこい」
嶋は怒っているのか、少し不機嫌そうだ。
やっぱり、嶋さんに言ったのはまずかったかな…。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
「あ、忍さん。洗面台の横に畳んであるタオル、使ってくださいね」
千春は忍にそう言って、微笑んだ。けれど、その目はすぐに嶋に向けられたように、忍には感じられた。